看護師の職務経歴書は、勤務先の名前や在職期間だけでなく、担当した業務、看護経験、身につけた skills、転職先で生かせる強みが伝わるように書きます。特に、病棟の種類、診療科、患者さんの特徴、夜勤やリーダー業務などを具体的に示すことが大切です。
これまでの経験をすべて並べるのではなく、応募先が求める業務と関係の深い経験を中心にまとめると、採用担当者が適性を判断しやすくなります。
看護師の職務経歴書に書く項目
職務経歴書には、次の項目を入れると経歴と強みが整理して伝わります。
- 提出日、氏名
- 職務要約
- 職務経歴
- 担当した業務・看護技術
- 保有資格・研修歴
- 自己PR
- 応募先に応じた補足事項
職務経歴書は、一般的にA4用紙1〜2枚程度にまとめます。経験が長い場合でも、すべての業務を細かく書くのではなく、応募先に関係する内容を優先します。
職務要約は経験全体を3〜5行でまとめる
職務要約では、看護師としての経験年数、主な勤務先、診療科や病棟、担当業務を短く書きます。採用担当者が最初に読む部分なので、冒頭でどのような看護経験があるのか分かるようにします。
たとえば、次のように書けます。
看護師として約5年間、急性期病院の内科病棟と外科病棟に勤務しました。入院患者の観察、日常生活援助、点滴・採血、術前術後の看護、退院支援などを担当しています。チームリーダーや新人指導も経験し、多職種と連携しながら業務を進めてきました。
「看護師として働いてきた」だけで終わらせず、どのような患者さんを対象に、どのような業務を担当したかまで入れるのがポイントです。
職務経歴は勤務先ごとに具体的に書く
職務経歴は、勤務先ごとに「在職期間」「施設の種類」「配属先」「担当業務」を整理します。勤務先の情報だけでなく、自分が担当した役割まで書くと、実務経験が伝わりやすくなります。
職務経歴の記載例
医療法人〇〇会 〇〇病院
在職期間:20XX年4月〜20XX年3月
施設概要:急性期病院、病床数〇〇床
配属先:消化器内科・外科病棟
雇用形態:正職員
担当業務
- 入院患者のバイタルサイン測定、全身状態の観察
- 点滴、採血、注射、輸血管理
- 手術前後の観察と看護
- 疼痛管理、服薬管理、日常生活援助
- 退院支援および家族への説明
- 医師、薬剤師、リハビリテーション職などとの情報共有
- チームリーダー、新人看護師の指導
「看護業務全般」とだけ書くと、担当範囲が分かりません。実際に行っていた業務を、応募先で生かせる順番に並べましょう。
病棟・診療科・患者さんの特徴を入れる
同じ看護師でも、急性期、慢性期、回復期、精神科、訪問看護、介護施設などで必要な経験は異なります。そのため、病棟名や診療科だけでなく、患者さんの状態や看護の特徴も補足します。
たとえば、次のような情報です。
- 急性期か慢性期か
- 成人、小児、高齢者など主な患者層
- 入院、外来、救急、手術室などの担当領域
- 重症患者や認知症患者への対応経験
- 退院支援、在宅療養支援、家族指導の経験
- 受け持ち人数やチーム内での役割
受け持ち人数は、勤務先や勤務形態によって変わるため、事実と異なる数字は書かないでください。人数を示しにくい場合は、「複数の入院患者を受け持ち、優先順位を考えながら看護を実施」といった表現にします。
看護技術は「経験の有無」と「担当範囲」が分かるように書く
看護技術は、実施したことが分かるだけでなく、どの程度担当していたかを示すと評価されやすくなります。ただし、経験していない技術を「可能」と書いたり、見学だけの業務を実施経験として書いたりしてはいけません。
たとえば、次のように整理できます。
| 項目 | 書き方の例 |
|---|---|
| 注射・採血 | 静脈注射、採血を日常的に実施 |
| 点滴管理 | 点滴ルートの管理、投与中の観察、終了後の対応を担当 |
| 人工呼吸器 | 装着患者の観察とケアを担当。設定変更は医師の指示のもとで対応 |
| 手術看護 | 術前・術後看護を担当。器械出しや外回りの経験がある場合は具体的に記載 |
| 退院支援 | 患者・家族への説明、多職種カンファレンス、退院後の生活を見据えた調整を担当 |
応募先がクリニックや施設の場合は、採血、点滴、処置、急変時対応、家族対応など、応募先の業務と結びつきやすい経験を上位に書くとよいでしょう。
実績は数字や役割で具体化する
実績を書くときは、表彰や売上のような成果だけでなく、看護師として担った役割や改善活動も実績になります。
- プリセプターとして新人指導を担当した
- チームリーダーや夜勤リーダーを担当した
- 業務改善や委員会活動に参加した
- 院内研修の企画・発表を行った
- 退院支援や家族指導に継続して関わった
- 認定看護師などの指導のもとで専門的なケアを経験した
「コミュニケーションを大切にした」だけでは抽象的なので、「退院後の生活状況を確認し、必要な支援について多職種と共有した」のように、行動が分かる形にします。
資格・研修は正式名称と取得時期を書く
看護師免許、准看護師免許、保健師免許などの資格は、正式名称で記載します。取得年月が分かる場合は、取得時期も添えます。
記載例は次のとおりです。
- 看護師免許(20XX年取得)
- 普通自動車第一種運転免許(20XX年取得)
- 救急看護に関する院内研修 修了
- 感染対策に関する研修 修了
- 認知症ケアに関する研修 修了
応募先の業務に関係する研修を優先し、受講しただけの内容を資格として扱わないようにします。資格証明書などの提出を求められている場合は、職務経歴書とは別に準備します。
自己PRは「強み・具体例・転職先での生かし方」で書く
自己PRは、性格のアピールだけで終わらせず、実際の経験を根拠にします。基本は、次の順番で書くとまとまりやすくなります。
- 自分の強みを示す
- 強みが分かる具体的な経験を書く
- 応募先でどのように生かしたいかを述べる
自己PRの例
私の強みは、患者さんの状態変化を観察し、必要な情報を周囲と共有しながら対応できる点です。急性期病棟では、バイタルサインや表情、食事量などの変化を確認し、異常がある場合はリーダーや医師へ報告してきました。また、患者さんやご家族の不安を聞き取り、退院後の生活を考えた支援にも取り組みました。これまでの観察力と多職種連携の経験を生かし、貴院でも患者さんが安心して療養できる看護を行いたいと考えています。
応募先が訪問看護なら在宅療養支援や家族との関わり、介護施設なら高齢者ケアや急変時の観察、クリニックなら外来対応や処置の経験など、応募先に合わせて内容を変えます。
転職回数が多い場合や短期離職がある場合の書き方
勤務先が複数ある場合も、在職期間を省略せず、勤務先ごとに記載します。短期間の勤務を隠すと、履歴書や面接時の説明と合わなくなる可能性があるため、事実に沿って書くことが大切です。
職務経歴書では、勤務先を並べるだけでなく、それぞれの職場で得た経験に一貫性を持たせます。たとえば、「急性期で身につけた観察力を、次の職場では退院支援に生かした」といった形です。
退職理由を職務経歴書に詳しく書く必要があるかは、応募先の指定や状況によります。記載する場合は、前職への不満ではなく、今後取り組みたい看護や転職理由につながる表現にします。
ブランクがある場合は期間中の活動も書く
離職期間がある場合は、空白にするのではなく、その期間に行っていたことを事実に沿って記載します。
- 看護師免許の更新や研修受講
- 家族の介護や育児
- 復職支援研修への参加
- 医療・介護に関する学習
- 短時間勤務や派遣などの就業
特に復職を希望する場合は、現在できる業務と、再習得が必要な業務を整理しておくと、面接で説明しやすくなります。経験していない業務を無理に「できる」と書く必要はありません。
看護師の職務経歴書で避けたい書き方
- 「看護業務全般」だけで具体的な内容がない
- 勤務先の名称や期間に誤りがある
- 応募先と関係の薄い経験ばかりを詳しく書く
- 「何でもできます」「誰とでも仲良くできます」など根拠がない
- 経験していない看護技術を実施可能と書く
- 前職や上司への不満を退職理由として詳しく書く
- 誤字脱字や資格名の表記ゆれがある
提出前には、履歴書の在職期間や職歴、資格名と一致しているか確認します。応募先に合わせて自己PRと職務要約を調整できているかも見直しましょう。
提出前に確認するチェックリスト
- 職務要約だけで主な看護経験が分かる
- 勤務先ごとに在職期間と配属先を記載している
- 担当した業務を具体的に書いている
- 看護技術は実際の経験範囲に合っている
- 応募先と関係の深い経験を目立たせている
- 自己PRに具体的な行動や経験がある
- 履歴書と職務経歴書の内容が一致している
- 誤字脱字、日付、資格名を確認している
看護師の職務経歴書は、勤務先の一覧ではなく、どのような患者さんに、どのような看護を行い、転職先で何を生かせるのかを伝える書類です。まずは勤務先ごとに経験を洗い出し、応募先で役立つ業務を選んで、職務要約と自己PRにまとめましょう。







