看護師求人の離職率を確認するには、求人票や病院の採用ページを確認したうえで、採用担当者に「対象期間・対象者・計算方法」を具体的に尋ねることが大切です。「離職率○%」という数字だけでは、既卒者のみか、新卒者を含むか、1年間の割合かが分からないため、職場同士を単純に比較しないようにしましょう。
看護師求人の離職率を確認する4つの方法
1. 求人票や採用ページを見る
まずは、求人票、病院や施設の採用ページ、採用案内などに離職率が掲載されていないか確認します。
掲載されている場合は、数字だけでなく次の項目も見てください。
- 対象となる職種が看護師だけか、看護職全体か
- 新卒者だけか、全職員か
- 対象となる期間がいつからいつまでか
- 常勤だけか、非常勤も含むか
- 自己都合退職だけか、定年退職や契約満了も含むか
「離職率」と書かれていても、職場によって集計の条件は異なります。条件が書かれていない数字は、比較の参考程度にとどめましょう。
2. 病院の公開資料や職員向け情報を確認する
病院によっては、年報、病院案内、看護部の資料、職員採用説明会の資料などで、職員数や退職者数を公開していることがあります。
離職率そのものが見つからなくても、次のような情報が判断材料になります。
- 看護師の在籍人数
- 年間の採用人数
- 年間の退職者数
- 平均勤続年数
- 新卒者の定着状況
- 育児休業や復職の実績
- 夜勤回数や勤務体制
ただし、採用人数が多いからといって、必ず離職率が高いとは限りません。病棟の増設や人員補充によって採用数が増えている可能性もあるため、退職者数や職員数と合わせて確認します。
3. 採用担当者や看護部に直接質問する
求人票に離職率がない場合は、応募前の問い合わせ、職場見学、面接などで採用担当者や看護部に質問できます。単に「離職率は何%ですか」と聞くより、集計条件を分けて尋ねると実態を把握しやすくなります。
たとえば、次のように聞きます。
- 「看護師の直近1年間の退職者数を教えていただけますか」
- 「離職率を公表している場合、対象は看護師のみですか」
- 「新卒看護師の入職後1年以内の定着状況は分かりますか」
- 「退職者数には定年退職や契約満了も含まれていますか」
- 「直近数年間で、看護師の人数や退職者数に大きな変化はありますか」
詳しい数字を公開していない職場もあるため、回答が得られないこと自体を離職率が高い証拠とは判断できません。ただし、質問への答え方や説明の具体性は、職場選びの判断材料になります。
4. 職場見学や面接で現場の状況を確認する
離職率の数字だけでなく、実際の職場の様子も確認します。見学時には、次の点を観察したり質問したりするとよいでしょう。
- スタッフ同士が落ち着いてやり取りしているか
- 新人教育の担当者や期間が決まっているか
- 入職後の研修や夜勤開始までの流れが説明されているか
- 休憩を取る場所や時間が確保されているか
- 看護師の年齢層や経験年数に偏りがないか
- 欠員がある場合、補充の予定や業務への影響はあるか
短時間の見学だけで職場のすべてを判断することはできません。気になる点があれば、「入職後に担当する業務」「夜勤の開始時期」「残業の発生状況」など、具体的な条件に分けて確認してください。
離職率の計算方法を確認する
離職率は、一般に一定期間の退職者数を、同じ期間の職員数を基準にして割合で示したものです。ただし、分母にする職員数や退職者の範囲は、職場によって異なります。
仮に、1年間の退職者が5人、期間中の在籍看護師数を100人として計算する場合は、次のようになります。
5人 ÷ 100人 × 100 = 5%
これは計算例であり、実際の職場の離職率ではありません。入職者数を基準にするのか、期首の在籍者数を基準にするのか、平均在籍者数を基準にするのかによっても結果は変わります。
そのため、求人情報で離職率を見つけたら、少なくとも次の3点を確認しましょう。
- いつからいつまでの数字か
- 何人を対象にしているか
- どのような退職を含めているか
看護師求人の離職率を比較するときの注意点
新卒離職率と全体の離職率は別に考える
「新卒看護師の離職率」と「看護師全体の離職率」は、対象が異なります。新卒者の定着状況を知りたい場合は、新卒者に限定した入職後6か月や1年後の在籍状況を確認します。
経験者として転職する場合は、既卒者や中途採用者の定着状況、試用期間中の退職者数、入職後の配属変更なども質問すると、自分に近い条件で判断しやすくなります。
退職理由によって職場の見え方は変わる
離職率が同じでも、退職理由は職場ごとに異なります。定年退職、転居、家族の事情、契約満了などが多い場合と、業務量、人間関係、夜勤、教育体制などを理由とする退職が多い場合では、転職後の注意点が変わります。
「主な退職理由を差し支えない範囲で教えてください」と確認すると、数字だけでは分からない事情を把握できます。個人が特定される内容や詳細な個人情報については、回答されないことがあります。
離職率が低くても働きやすいとは限らない
離職率が低い職場でも、採用数が少ない、異動が多い、休職者が含まれているなど、数字だけでは分からない事情があります。反対に、病院の規模拡大や新規開設で採用が増え、一時的に職員の入れ替わりが多く見える場合もあります。
離職率は、勤務時間、夜勤回数、給与、休日、教育体制、通勤しやすさなどと合わせて判断してください。自分が重視する条件と、離職の主な理由が一致していないかを確認することが重要です。
離職率を教えてもらえない場合の確認方法
離職率を公開していない場合は、同じ数字を無理に求めるのではなく、働き続けやすさに関係する具体的な条件を確認します。
- 直近1年間の看護師の採用人数と退職者数
- 入職後1年以内に退職した看護師の人数
- 新人研修やプリセプター制度の内容
- 夜勤に入るまでの期間
- 月の夜勤回数と希望の反映方法
- 月の平均残業時間
- 有給休暇の申請方法と取得状況
- 産休・育休から復職した看護師の有無
これらも未公表で回答を得られない場合は、職場見学で複数のスタッフに同じ条件を確認する方法があります。説明に一貫性があるか、質問に具体的に答えてもらえるかを見て判断します。
看護師求人の離職率を確認するときの結論
最初に、求人票と採用ページで離職率の記載を探し、記載がなければ採用担当者に「対象期間・対象者・退職理由の範囲」を質問してください。数字が分かった場合も、全体、新卒、既卒などの対象をそろえて比較することが大切です。
離職率だけで応募先を決めず、勤務条件や教育体制、退職理由と合わせて、自分が長く働ける職場かを判断しましょう。







